【水泳コーチ向け】高校生の練習メニュー作りで大切な2つのポイント。

今回はジュニア選手を担当されているコーチ向けに、メニュー作成時のポイントをまとめました。

「高校生向けにメニューを作る時に、押さえるべきポイントが分からない。」という方は、是非ご覧ください!

ジュニア選手で全国大会メダリストを輩出しているコーチが実践しているエッセンスも交えていますので、参考にしてみてください。

メニュー作成時に考えるべきこと

まず始めに、メニュー作成時に考えるべきことを押さえておきましょう。

これは小中学生向け、高校生向けでも共通です。メニュー作成時には「練習メニューの目的」をコーチが理解しておくことが大切です。練習メニューの目的は、大きくは次の2つです。

1.テクニックを磨く
2.身体機能を向上させる

今回は、2つ目の「身体機能の向上」に着目して「高校生選手向けメニュー作成時のポイント」を説明していきます。

高校生向け練習メニュー作成時のポイント

それでは、メニュー作成時のポイントを見ていきましょう。

基本的な考え方は、以下2点です。

  1. 専門距離に合わせて練習強度を上げる
  2. 持久力のベース作りとして一定の練習量は確保する

それぞれ補足していきます。

1.専門距離に合わせて練習強度を上げる

イメージは、小中学生で作った体力のベースを活かして、高校生からは専門距離特性に合わせた練習割合を増やしていくイメージです。

例えば、50m〜100mが専門距離の場合はショートチーム。100〜200mが専門距離の場合はミドルチーム。400m以上が専門距離の場合はロングチーム。のように分ける形です。

小中学生向け練習メニュー作成ポイントについては、以下より参考ください。

参考記事:【水泳-ジュニアコーチ向け】小学生・中学生の練習メニュー作り2つのポイント。

 

2.持久力のベース作りとして一定の練習量は確保する

高校生の時期は、ジュニア選手にとっての最後の成長期期間でもあります。選手が大学生まで競技を継続することを考えた場合、体力のベース作りの要素も含んだメニュー作成が重要です。その方が大学生になってから、活躍の可能性が広がるからです。

次からは具体的な練習メニュー例を紹介しますので、よりイメージを掴んでいただければと思います。

具体的なメニュー例

では、最後に具体的なメニュー例の紹介です。先述の以下の3つの切り口でメニュー例を記載しました。

1.ショートチーム(50m〜100mが専門距離)

2.ミドルチーム(100〜200mが専門距離)

3.ロングチーム(400m以上が専門距離)

各専門距離にあった練習強度のイメージや、最低限必要な体力づくりを目的とした必要練習量について、掴んでいただければと思います。

ショートチームの例

メニュー例は、以下です。

ポイントの解説です。

赤枠部分が適正距離にあった練習メニュー箇所です。

  • メニュー前半の赤枠部分では短い距離をMAX出力で泳ぎ、スプリント力向上を目指しましょう。
  • メニュー後半の赤枠部分では1本目からMAX出力で泳ぎ、疲労物質(乳酸)が出ている中でも頑張って身体を動かしましょう。

青枠部分が体力づくりを目的にした練習メニュー箇所です。

  • 心拍数(HR)を170まであげられるように意識しましょう。

ミドルチームの例

メニュー例は、以下です。

ポイントの解説です。

赤枠部分が適正距離にあった練習メニュー箇所です。

  • 最初は心拍数(HR)を180まで上げて、息が苦しい中でも頑張って泳速を保ちましょう。最後は1本目から全力で疲労物質(乳酸)が出ている中でも頑張って身体を動かしましょう。

青枠部分が体力づくりを目的にした練習メニュー箇所です。

  • 同じく心拍数(HR)を170まであげられるように意識しましょう。

 

ロングチームの例

メニュー例は、以下です。

ポイントの解説です。

赤枠部分が適正距離にあった練習メニュー箇所です。

  • 最初は心拍数(HR)を170でキープしましょう。最後は心拍数(HR)を180まで上げて、息が苦しい中でも頑張って泳速を保ちましょう。

青枠部分が体力づくりを目的にした練習メニュー箇所です。

  • こちらも同じく心拍数(HR)を170まであげられるように意識しましょう。

各メニュー例の参考方法

それぞれの赤枠部分が、各専門距離にあった練習強度のイメージなりますので、ご参考ください。

より具体的な解説は以下の記事を参考にしていただければと思います。

参考記事:狙った試合でベストタイムを出せる水泳練習メニューの作り方。5種類のサンプルメニューも紹介

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は「高校生選手のメニュー作成時に意識すべきポイント」を紹介しました。

年代に合ったメニュー作成を行い、足元のベスト更新はもちろん、将来の成長を見据えたサポートができると良いですよね。

本記事に記載の通り、高校生向けのメニュー作成は「適切な練習強度と練習量」の設計がポイントになってきます。今一度、現在の練習メニューが適切かどうか見直してみましょう。

また、メニュー見直しの際には、他の高校生選手が行っているメニューと比較すると、見直しの精度が上がるかと思います。

その場合は「トレーニングシェア」というサービスもオススメです。

このサービスは、ジュニアのトップ選手を輩出しているコーチ陣の考え方が学べる講義動画や、実施している具体的なメニューや、ドリル動画が見れるトレシェアというサービスです。気になる方は是非みてみてください。

関連記事:日本代表選手のメニューが見られる!?新サービス『トレーニングシェア』とは?

本記事の内容もトレーニングシェアに登壇いただいているトップコーチ陣のお考えを引用させていただいております。

最後までお読みいただきありがとうございました。