バタフライを完璧に泳ぐ!上達のコツとポイント。

バタフライは、4泳法の中でも特に難易度の高い泳ぎ方とされています。

正しい泳ぎ方を身につけることで、タイムアップやケガの防止につながるため、初心者から上級者まで、継続的な練習が重要です。

本記事は、バタフライをより上達するためのポイントと練習方法を動画付きでまとめています。
KAT-TV様のとても有益な動画を切り取らせていただき、練習方法などを解説させていただいております。

今よりもバタフライをもっと上達させたい!という方は是非ご覧ください!

バタフライの基本知識

まず最初にバタフライについての基礎知識を押さえておきましょう。
以下の4点が他の泳ぎと比べた時のバタフライの特徴です。

①高いスピードが出せる。
バタフライは、4泳法の中でもクロールの次に速いスピードで泳げることが特徴です。これはストロークとキックを同時に行うことで水の抵抗を減らすことができたり、高いパワーを出して泳ぐことができるためです。

②大きな力を必要とする。
上記にもあるようにバタフライは、大きな力を必要とする泳法です。例えばストロークで上半身を両腕同時に水面に出す動作や、キックで下半身の筋肉を強く使う必要があったりします。

③高い技術が必要。
バタフライは、技術的な要素が多いため、高い技術が必要とされます。例えば、ストロークとキックのタイミングを合わせたり、息継ぎ動作もなるべく抵抗が少ないような動きを実現する必要があったりと種目ならではの特徴的な動作の習得が必要です。

④体力の消耗が激しい。
上記に大きな必要が必要である旨と、高い技術力が必要な旨を記載しましたが以上の点より、バタフライは他の泳法と比べて体力の消耗が激しいです。それもあって200mまでの短距離〜中距離までのレースが行われます。

これらが、バタフライの基本的な特徴になります。

バタフライの泳ぎ方の注意点 

前章でご説明した通り、バタフライ泳法は、高速で泳ぐことができる反面、技術的な要素が多く、正しい泳ぎ方を習得することが重要です。

正しく泳ぐ際の注意点として、どのような点があげられるのかを見ていきましょう。注意点は以下の3つです。

①腕の動かし方が正しくできて、前に進む推進力を作れる必要がある。
②足の動かし方が正しくできて、一定のリズムで泳げる必要がある。
③息継ぎの仕方が正しくできて、無駄な抵抗を多く生まないようにする必要がある。

これらの注意点を意識しながら練習することで、効率的かつ正確な泳ぎができるようになります。

正しい泳ぎ方を習得することが重要であることは、トップ選手たちのコメントからも明らかです。

例えば、バタフライ泳法の元世界記録保持者であるマイケル・フェルプス選手は、「正しい泳ぎ方を習得することが、高速で泳ぐためには非常に重要だ」とコメントしています。

また、バタフライ泳法の注意点を実際に守っている国内選手として、瀬戸大也選手などがあげられます。彼は、バタフライ泳法において、正確な呼吸法や反動をうまく利用するキックなど、正しい泳ぎ方を身につけています。彼のように、正しい泳ぎ方を意識した練習を行うことが、バタフライ泳法で成功するための重要な要素となります。

具体的なコツと練習方法

それでは、先程あげた注意点をもう少し具体的に見ていきましょう。

先述の3つのポイントである「①腕の動かし方」「②足の動かし方」「③息継ぎの仕方」というポイントで説明していきます。

最後にそれぞれの練習方法も解説していますので、ご自身の課題点と合致するものがあれば、是非明日からの練習に取り入れてみてください。

腕の動かし方

まず「腕の動かし方」からです。

バタフライでは、大きな腕の動きが特徴的ですが、腕の動かし方を分解して考えると以下の通りになります。

  1. キャッチ:腕を前方に伸ばし水中で肘を立てて、水を掴む動作。
  2. プル:腕を前方に伸ばしたまま、手首を曲げて水の中に入れ、腕を曲げながら引いていく動作。
  3. プッシュ:手首を伸ばして水をかき、水圧を利用して腕を後ろに押す動作。
  4. リカバリー:腕を水面上に出し、前方に回して再び前方に伸ばす動作。
  5. エントリー:腕を前方向で入水させる動作。

▼バタフライの腕の回し方を分解した図

具体的なコツ

上記の一連の動かし方の中で、特に以下の2つのコツを抑えることが大切です。

①キャッチで肘を立てて、しっかり水を掴みプル動作まで行う。
②ストローク全体を素早く1動作で行う。

それぞれ説明していきます。

まずはコツの1つ目「キャッチで肘を立てて、しっかり水を掴みプル動作まで行う」についてです。

肘を落とさずしっかりを水を捉えることができるかが大きなポイントになりますが、肘の使い方は「悪い例」と「良い例」を比較すると分かりやすいので、以下のそれぞれの映像をご覧ください!

▼肘が落ちている悪い例

こちらから映像でもみれます。

▼肘が立っている良い例

こちらから映像でもみれます。

肘が立っている状態を作れると、前に進むための推進力を十分に得ることができます。結果的に、体重移動もスムーズに行えるので、グングンと前に進む泳ぎを手に入れることができます。

次にコツの2つ目「ストローク全体を素早く1動作で行う」についてです。

バタフライのストロークは、キャッチからプッシュ、リカバリーを終えて、入水するまでの一連の動作を素早く一動作で行えるのが良いです。

そうするとキックとのリズムがとりやすく、泳ぎが連動してきます。よくあるNGなケースが、ストロークを2動作に分けてしまうケースです。

2動作にわけた場合、水中動作のキャッチからプッシュまでを1動作、空中動作のリカバリーを1動作でそれぞれ分けることになると思います。そうするとプッシュ動作で一度、ストロークが止まってしまいスムーズな泳ぎができなくなってしまいます。

▼バタフライの腕の回し方を分解した図(再掲)

 

ここについて、1分ほどで解説している動画があるので、この動画をみていただくのが分かりやすいです。

練習方法

それでは、上記のコツを習得するための練習方法を紹介していきます。

まずは「①キャッチで肘を立てて、しっかり水を掴みプル動作まで行う」ための練習方法です。

ここの部分の練習は、陸上で実施できるものも紹介します。陸上で動きを作ってから、水中でも実施するのがおすすめです。

陸上での練習方法
練習方法①:腕の内旋動作

肘が立つには、腕の内旋動作(内側にひねる動作)が大きく影響しますので、この動きを身につける練習です。

まず、陸上で四つん這いになります。

そして後ろに向いている肘の状態を・・・

前に向かせるようにひねる動作(内旋動作)を反復させる練習です。

※20秒くらいこの動画をみていただくとより分かりやすいです。

練習方法②:バランスボールでの動き出し

バランスボールを抱き抱える動作と、バランスボール上に腕を滑らせる動作をすることで、キャッチで肘を立てる動作を再現することができます。

やり方は、まず脱力した状態でバランスボールに上半身を任せます。

そうしたら、バランスボールを抱き抱えます。これだけです。

前から見ると、このような感じです。肘が前を向いている状態を作れていますね。

このようにして、陸上でも正しい動きを身体に覚え込ませることができます。

※20秒くらいこの動画をみていただくとより分かりやすいです。

水中での練習方法

練習名:オールスカーリング

リカバリーは実施せず、水中のキャッチからプッシュまでの動作に集中する練習です。肘を立てる動作を意識して、水中でも正しい動きを出せるようにしましょう。

やり方ですが、まずプルブイを挟んで水中にリラックして浮きましょう。

そして、肘をしっかり立てて、

水を押し切りましょう。この動作の反復です。

※10秒くらいこの動画をみていただくとよりイメージを掴めます。

次に「②ストローク全体を素早く1動作で行う」ための練習方法です。こちらは水中での練習をメインで行いましょう。

練習方法

練習名:1ストローク動作スイム

1ストロークのみで、動作を一旦ストップさせましょう。1ストロークを1回のリズムで素早く行えるよう意識をする練習です。

やり方ですが、まずストロークに入る前のうねりを作ります。

そして、キャッチに入ります。

そこから素早く掻ききります。

素早く掻いた勢いで、そのまま長〜く伸びます。これの繰り返しです。

この練習方法は20秒くらいこの動画をみていただいた方がイメージがつかめると思います。

以上、バタフライの「腕の動かし方」について解説しました。バタフライは腕の動作で、一定の推進力を作る泳ぎですので、正しい動作ができれば前に進む泳ぎを手に入れることができます。頑張って練習していきましょう!

足の動かし方

次の足の動かし方について、具体的なコツと練習方法を説明していきます。

バタフライのキックは、足の力でも身体を浮かし、抵抗を減らすことができるので、正しいキックのやり方を身につけることは非常に重要です。

まずバタフライのキックについて前提の共有です。バタフライのキックは、第一キックと第二キックの2つのキックから構成されています。

第一キックは、腕を入水させるときに打つキックです。 呼吸をした後、腕を入水させると同時に打つキックを第一キックといいます。

 第二キックは、呼吸をする時に打つキックです。 入水してからキャッチ、プッシュあたりで顔を挙げてくるときにうつキックを第二キックといいます。

この第一キックと第二キックを使い分けることで、より効率的に泳ぐことができます。

第一キックと第二キックについて、理解が不安な方は「通常映像とスローモーション映像を交えて解説しているこちらの動画」を見ていただくと分かりやすいです。

※45秒くらいみていただくと分かりやすいです。

具体的なコツ

それでは、第一キック・第二キックそれぞれでのコツをみていきましょう。

第一キックのコツ

第一キックのコツですが、キックを打ち込んだ後に身体にうねりを生めるよう大きく打ち込むことです。

その為に、「膝から足首・足先」の順に足を下におろして、キックを打てると大きな打ち込みが実現できます。

膝から足首・足先の順に下におろすイメージ

第一キックを大きく打ち込むことで、うねりを生むことができ、これが前に進むための体重移動につながります。

改めてこちらのスローモーション動画をみると、しっかりと打ち込めていることが分かりますね。
※大きく打ち込んでいる方が第一キックです。

第二キックのコツ

次に第二キックのコツについてです。第二キックは、第一キックとは逆に「軽く小刻みに打つ」ことが大切です。

第一キックでは、下方向へキックを打ち込むイメージが強かったですが、第二キックでは、後ろ方向へキックを打つイメージを持つことがポイントです。

大きく打つ第一キック、小さく打つ第二キックを組み合わせて、泳ぎのリズムを上手く作れるようにしましょう。

練習方法

それでは、紹介した第一キックと第二キックの理想の動きを習得するための練習方法を紹介します。

バタフライのキックを練習するには、次のような方法があります。

▼バタフライキックの練習方法
①ドルフィンキックとして練習する。
バタフライのキックは、ドルフィンキックをベースにしています。まずは、ドルフィンキック単体で練習して、スイムにつながるキックの打ち方を身につけられます。

②フィンを使う。
フィンを使うことで、より大きい力を出せるキックを習得できるようになります。

③ビート板を使う。
水面に顔を出して呼吸は常時できる状態を作ってキック動作に集中して練習することができます。

④プルブイを使う。
プルブイを使うことで身体を浮かせた状態でキック動作をすることができます。また、キックの幅が極端に大きくなりすぎないように調整する効果も生むことができます。

本日はこの中でも「ビート版を使った練習」と「プルブイを使った練習」を紹介していきます。

他2種類の練習方法の参考記事もありますので、気になる方は見てみてください。

・ドルフィンキックの練習を知りたい方はこちら
・フィンを使った練習を始める際に、フィンの正しい選び方を知りたい方は、こちら

第一キックの練習方法

練習名:ビート版+プルブイキック

「膝から足首・足先」の順に下へ足を動かして、打ち込めるような動作を身につけましょう。

やり方ですが、ビート版を持ってプルブイを足に挟みます。

その状態で、足を膝から曲げて・・・

足首・足先で打ち込みます。

プルブイを挟むことで、足が浮きやすくなるので、下へ打ち込むためには、しっかりとお腹の力を使って、キックをうつ必要があります。
※10秒くらいこの動画をみていただくとよりイメージを掴めます。

第一キックの正しい足の動作習得と、下に打ち込むための筋力強化を目的とした練習です。

第二キックの練習方法

練習名:ビート板を使った第二キック練習

第一キックとは逆に、キックのを小刻みに、後ろへ押し出せるようなキック動作を身につけましょう。

やり方ですが、身体を真っ直ぐに保って・・・

膝をコンパクト目に曲げて・・・

小刻みに打ち込みます。

キックをうっているときに頭が動かないくらい小刻みに打てるのが良いです。
▼上からみた時に頭が動かないように

※30秒くらいこの動画をみていただくとよりイメージを掴めます。

キックは、後ろ方向に蹴り出せるのが理想です。第二キックの正しい足の動作習得を目的とした練習です。

第一と第二キックのコンビネーション練習

それぞれのキックで正しい動作を行えるようになったら、両方のキックを交互にうつ練習を行っていきましょう。

やり方ですが、水中に浮いた姿勢を作り・・・

第一キックを打ちうねりを作ります。

その後、第二キックを打ちます。この繰り返しです。

この練習方法は20秒くらいこの動画をみていただいた方がイメージがつかめると思います。

スイムのときと身体の動かし方になりますので、各キックで正しい動作ができるようになったら、スイムに近い動作をするこの練習を行ってみましょう。

以上、バタフライの「足の動かし方」について解説しました。バタフライは、泳ぐのが難しいスタイルの一つですが、正しいキックのやり方をマスターすれば、効率的に進むことができます。

息継ぎの仕方

最後に「息継ぎの仕方」ついて、具体的なコツと練習方法を説明していきます。

具体的なコツ

バタフライの息継ぎでは「タイミング」が非常に重要です。

理想の息継ぎのタイミングは、第二キックとプッシュ動作と同時のタイミングです。このタイミングに息継ぎを合わせることで、身体のバランスを保ち、抵抗を減らすことができます。

練習方法

正しい息継ぎ動作は、水中で行うドリルメニューで身につけていくのがおすすめです。

3つのドリルメニューをご紹介します。

正しい息継ぎ動作の練習方法

練習①:キック+プッシュ動作のみ

第二キックとプッシュ動作を合わせる練習です。

やり方ですが、まず水中に浮きます。

第一キックを大きく打って・・・

うねりを作り・・・

第二キックとプッシュ動作を合わせます。

終わったら気をつけで伸びます。この繰り返しです。

この練習方法は20秒くらいこの動画をみていただいた方がイメージがつかめると思います。

キックとプッシュ動作のみを行い、正しいタイミングを身体に覚えさせることが目的の練習です。

練習②:片手バタフライ

呼吸を呼吸で行うので、普通のスイム時の前呼吸より、タイミングを合わせやすいです。

やり方ですが、水中姿勢を作って・・・

片手でのプッシュと第二キックと呼吸のタイミングを合わせて・・・

横呼吸をします。この繰り返しです。

こちらも正しいタイミングを身体に覚えさせることが目的の練習です。

※10秒くらいこの動画をみていただくとよりイメージを掴めます。

 

練習③:片手+両手バラフライ

片手で2ストローク+両手で1ストロークを交互に行いましょう。

やり方ですが、水中姿勢を作って・・・

右手ストロークで横呼吸を行い・・・

左手ストロークで横呼吸を行い・・・

両手ストロークで前呼吸を行います。

※10秒くらいこの動画をみていただくとよりイメージを掴めます。

片手時の横呼吸で掴んだタイミングを、両手時の前呼吸で実施できるようにしましょう。

以上、バタフライの息継ぎの仕方と練習方法について解説しました。最初はなかなかコツを掴めない部分もあるかと思いますが、正しい息継ぎ動作をマスターすれば、効率的に進むことができます。ご自身にあった練習方法を見つけて見てください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、バタフライの特徴や注意点、初心者が上達するために抑えるべきコツと練習方法を紹介しました。

バタフライは、高い技術と体力を要するため、初心者にとっては上達が難しい泳法でもあります。バタフライ上達に向けて、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。

改めてここまでの内容をまとめさせていただきます。

▼バタフライの特徴は?
①高いスピードが出せる。
②大きな力を必要とする。
③高い技術が必要。
④体力の消耗が激しい。

▼バタフライの注意点は?
・腕の動かし方が正しくできて、前に進む推進力を作れる必要がある。
・足の動かし方が正しくできて、一定のリズムで泳げる必要がある。
・息継ぎの仕方が正しくできて、抵抗を多く生まないようにする必要がある。

 ▽腕の動かし方のコツ
 ・キャッチで肘を立てて、しっかり水を掴みプル動作まで行う。
 ・ストローク全体を素早く1動作で行う。

 ▽足の動かし方のコツ
 ・第一キックでは、キックを打ち込んだ後に身体にうねりを生めるよう大きく打ち込む。
 ・第二キックは、第一キックとは逆に「軽く小刻みに打つ」です。

 ▽息継ぎの仕方コツ
 ・第二キックとプッシュ動作と同時のタイミングで行う。

各ポイントを習得するための練習方法も紹介しましたが、皆さんにとって、課題はそれぞれだと思います。一気に全ての課題解決をしようとして、たくさんの練習に取り組むよりも、まずは課題を絞って特定の練習方法を繰り返しながら改善していくのがベストです。

ご自身にあった取組み方を見つけていただくためにも、まずは明日からプールで実践してみましょう!

また、「他の選手にもっと差をつけるような専門的な情報が知りたい!」という方には「トレシェア」というサービスもおすすめです。

国内のトップ選手がバタフライ上達のために実施しているドリル練習動画を視聴できたりします。気になる方は是非こちらの紹介記事もご覧ください。

紹介記事日本代表選手のメニューが見られる!?新サービス『トレシェア』とは?

最後までお読みいただき、ありがとうございました。