今回はジュニア選手を担当されているコーチ向けに、メニュー作成時のポイントをまとめました。
「小学生・中学生などのジュニア向けにメニューを作る時に、押さえたいポイントが分からない。」という方は、ご覧ください!
ジュニア選手で全国大会メダリストを輩出しているコーチが実践しているエッセンスも交えていますので、参考にしてみてください。
メニュー作成時に考えるべきこと
まず始めに、メニュー作成時に考えるべきことを押さえておきましょう。これはジュニア向けでも、シニア向けでも共通です。メニュー作成時には「練習メニューの目的」をコーチが理解しておくことが大切です。練習メニューの目的は、大きくは次の2つです。
1.テクニックを磨く
2.身体機能を向上させる
今回は、2つ目の「身体機能の向上」に着目して「ジュニア選手向けメニュー作成時のポイント」を説明していきます。
ジュニア選手向けメニュー作成時のポイント
それでは、ジュニア選手向けメニュー作成時のポイントを見ていきましょう。
まず、基本的な考え方は「小学生のうちに持久力の土台を作り、中学生から高強度の練習ボリュームを増やしていける状態を作っておく」です。
もう少し具体的に、小学生・中学生ごとの切り口でみていきましょう。
小学生の場合
中学生以降の身体の成長に合わせて、大幅なベスト更新ができる準備をしておきたい期間です。なかでも小学生のうちに作っておきたいのは「持久力の土台」です。
ここで言う持久力の土台ができた状態とは「酸素を取り入れて身体を動かすことが一定距離スムーズにできる状態」を指します。目安としては、1回5,000mほど持久系中心の練習を、心拍がそこまで上がらずに泳げるようになる状態が目安になってくるかと思います。
関連記事:【水泳】持久力強化の練習メニュー作り3つのポイント。
ではなぜ、小学生のうちに持久力の土台を作っておく必要があるのでしょうか?理由は、持久力の土台を早くに作っておかないと、中学生以降に増える「高強度のスピード練習」の効果が高まらないからです。
どいうことかというと、水泳では「酸素を取り入れて身体を動かすこと」が基本動作になります。この基本動作を、低い泳速で行う持久練習でまともにできない状態だと、もちろん高い泳速での実施は難しいです。
そうすると例えば、練習で高いスピードを1本は出せるけど、2本・3本と続けることはできないので、中学生以降で重要になるスピード持久力強化の練習ができなくなってしまいます。練習でスピード持久力を強化できていないので、レースの後半で必ずバテてしまう。という状態から抜け出せなくなってしまいますね。
したがって、小学生のうちに低い泳速で行う持久系練習が行えるベースを作っておくことは大切になってきます。
関連記事:【メニュー付き】水泳のスピード持久力が上がるタバタプロトコルって?
小学生向けに持久力系の練習を行う際の注意点は、持久力系の練習ボリュームが増えるとメニュー単調になり選手が飽きてしまうことです。飽きられてしまうと、あまり頑張ってもらえず練習効果が低下してしまう恐れがあります。
なので、持久系の他に組み込んでいるスピード系・ドリル系のメニューで選手を飽きさせないな工夫も大切になってきます。
例えば、スピード系メニューの工夫でいうと、練習の最後にリレーを取り入れたり、キック練習でビード版の押し合いを取り入れるなど、ゲーム性を持たせて、楽しく練習をしてもらえる工夫が大切ですね。
「最後に楽しいメニューがあるから、そこに向けて頑張るぞ!」のようなやる気の醸成もポイントのひとつです。
小学生選手が、持久系の練習メニューだけで飽きてしまわないように、ゲーム性を持たせた楽しいメニューをプラスαしてくことがおすすめです。
中学生の場合
大会への出場可能な種目が、400m以上の距離にも広がるため、専門の距離に合わせた練習が始まってきます。選手の専門距離によっては、持久力の練習ボリュームを担保しつつも、スピードを出す練習割合を高めていく必要があります。
練習量は、専門距離によりますが、ショート・ミドルで5,000〜7,000mほど、ロングで7,000〜10,000mくらいが目安になってくるかと思います。
小学生時期と同様に、持久力の土台をつくるジュニア時期の位置付けになりますので、一定量の持久系の練習量は担保していきましょう。
持久系・スピード系メニューの配分についての考え方や、具体的な練習メニューイメージは以下の記事にもまとまっていますので、是非見てみてください!
参考記事:狙った試合でベストタイムを出せる水泳練習メニューの作り方。5種類のサンプルメニューも紹介
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はジュニア選手のメニュー作成時に意識すべきポイントを紹介しました。小学生・中学生などの年代に合ったメニュー作成を行い、足元のベスト更新はもちろん、将来の成長を見据えたサポートができると良いですよね。
本記事に記載の通り、ジュニア選手のメニュー作成は「いかに飽きさせないか」というポイントが大切になってきます。そのために、メニューのバリエーションを担保して、選手に毎回違う刺激を与えられるのが理想だと思います。
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関連記事:日本代表選手のメニューが見られる!?新サービス『トレシェア』とは?
本記事の内容もトレシェアに登壇いただいているトップコーチ陣のお考えを引用させていただいております。
最後までお読みいただきありがとうございました。