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元競泳日本代表が解説する”速いキック”のコツ

こんにちは。競泳元日本代表の小坂です。
多くの方からの質問で、キック(バタ足)が速くならない、という悩みを聞く事が多かったので少し丁寧に解説していきたいと思います。

頭で理解する事と身体で出来る事はイコールではありませんが、頭で理解していないと、スランプに陥った時に対処できないので、可能であれば頭から理解してもらいたいです。
少し長文ではありますが、お付き合いください。

脚を分解する

脚を動かす主な関節というと、股関節と膝関節と足首になります。
これら3つの関節を上手く駆使して鞭のようにしなるキックを打つ事でキックが速くなります。

それぞれ、動かすとどういう動作をするかを確認します。
(ここではねじり動作は除外して考えています)

まずは股関節。股関節を動かすのはモモです。
動かすパワーも必要な分、パワーが出やすいです。
kokansetsu

続いて膝関節。股関節を動かすのもモモです。
膝関節を動かすのは股関節ほどパワーはいらない分細かい動作がしやすいです。
hizakansetsu

最後に足首。足首を動かすのはスネとふくらはぎです。
膝関節よりも少ないパワーで動かす事が出来、柔軟な動作が可能です。
ashikubi

進むキックってどういうこと

さて、脚についての構造を理解出来たら次は、進むキックについて理解していきましょう。

しっかりとした理解を進めるために、簡単な力学から理解しましょう。
内容は小学生でも理解できる内容ですので安心してください。

推進力とは

進むということはどういうことか説明してきます。
rikigaku
この図にある通り、何か物体に力を入れて押したとき、その物が固定されていなかった場合は、物体はその力の方向に動きます。
また、その物体からの反発を得る事で推進力を得る事が出来ます。

今回は物体で説明していますが、水泳も水を押し出すその反発で前へ進んでいると言う事です。
では、なぜ進むキックと進まないキックがあるのでしょうか。

進むキックと進まないキックの違い

何となく勘の良い方ならば分かってきているかもしれませんが、進まないキックはこの推進力と力の向きが関係しています。
どういう事か、解説していきます。
hiza_chikara
点線から実践まで膝だけを使ってキックをした場合は、力は下方向へ、反発は上方向へ向かってしまいます。
これでは、身体が浮きはしますが、前に進む事はありません。

膝関節の構造上、ただ膝だけでキックをした場合、前に進まないのです!
衝撃的ですよね。膝でキックしても身体が浮くだけで、前に進まないんです。極端な話、「無駄」だったんですね。

では、前に進むキックとはどうやって打つのでしょうか。
少し画面を閉じて、考えてみてください。スペースがある方は身体を動かしてみましょう。
ポイントは、股関節、膝関節を使う事です。

いかがでしょうか?何となくわかりましたか?
図で説明すると以下のようになります。まずは、身体の動かす方向から。
kansetsu_move
股関節は背面側に引き上げる動作。
股関節は膝を伸ばす動作。
足首は、返す動作。
をそれぞれ複合的に徐々に動かしていきます。

この動作が滑らかに出来ることが鞭のようにしなるキックに繋がる訳です。
力の向きに次は注目してみましょう。
kick_power

今回は分かりやすくする為に少しずらしていますが、足の位置が後ろに押し出される形になっているのがわかると思います。
この押し出すキックが打てる事で前に進む事が出来るのです。

いかがだったでしょうか。
実際のキックでこの動作が使えるようになる為には、日々たくさんの練習が必要になりますが、ただ単に脚を動かしているだけでは強くなりません。
しっかりとした進むキックを身につけるために、是非意識してトレーニングしていってくださいね。

質問や疑問などあれば、下のコメント欄からコメント下さい。
Facebookページもありますのでそちらでの質問でもどちらでもお答えします。

最後に

いかがでしたでしょうか?今回は、速いキックのコツを説明しました。

ドルフィンキックの考え方や練習方法は様々なものがあります。まずは色々実践してみて、最終的にご自身に合ったものを見つけて継続していくのが一番かと思います。この情報が少しでもお役に立てれば嬉しいです。

また、トップスイマーの練習メニューがわかる「トレーニングシェア」というサービスもあります。上達の為に情報収集をされたい方は、トレシェア紹介記事も見てみてください。

記事:日本代表選手のメニューが見られる!?新サービス『トレーニングシェア』とは?

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!