ハイエルボーが良い、肘が立っている方が良い、などという会話はごく当然のように行われていますが、読者の方からの質問で、
「肘が立っていないと何が悪いの?」
という質問を受けました。
今回は、肘が落ちたときとハイエルボーの時の違いについて解説していきたいと思います。
ハイエルボーってどんな状態?
はい、早速ですがハイエルボーとはどんな状態でしょうか。
少し考えて見ましょう。考えることもトレーニングですよ!
正解はこんな形。
では反対に、ハイエルボーじゃない状態はどんな状態でしょう。
(この状態を説明している名称は無いのですが、便宜上ローエルボーという名前で解説を進めていきます)
正解は、このような形になります。
さて、この状態があるとしたときに、何故ハイエルボーの方が良いのでしょうか。
次の章で考えていってみましょう。
違いは推進力の向き
さて、先ほどの章ではどのような形をハイエルボーというのかを説明してきました。
この章では、ハイエルボーとローエルボーの違い、そのメリットを説明してきます。
ハイエルボーの推進力は、このような向きになっています。
緑色が本人が入れている力の向き。赤色が進む上で大切な推進力です。
ハイエルボーでの力と推進力の向きは図のようになっています。
しっかりと力が足の方向に向くことで、正しい推進力を得ることができます。
一方、ローエルボーではどうでしょうか。
このように、入水から手が下に落ちてしまっている為、推進力は正しい方向に得られず、前に進むことができません。
この違いがあるため、ハイエルボーがよいといわれています。
どうやってハイエルボーを身に付けるのか
さて、違いが分かったところで、ハイエルボーの身につけかたをお伝えしていきます。
まずは、陸上で構わないので肩を固定して、以下の図の動きができるかをやってみましょう。
無理のない範囲で行い、手の平がしっかりと肩のほうに向くようにします。
もちろん良い動きは左側ですが、両方の動きをやってみて違いを身体に理解させましょう。
また、このとき手の形にも注意してみましょう。
手を丸くしないように。指先に力が入り過ぎないようにします。
さて、できるようになったら後はプールの中で立ってやってみましょう。
肩まで水に沈んだ状態で同じ動きを行いましょう。
この状態で、しっかりと前に身体が進む感覚を身につけられるとGoodです!
最後に、実際に泳いでハイエルボーを身につけていきましょう!
実際に泳いでやってみるのは難しいので、その時は道具を使ってみるものもよいでしょう。
キャッチ専用に開発された、キャッチパドルを使うことで、正しい動きができているかどうかが分かり、効率よく練習することができます。
キャッチパドルについては、「キャッチが上手くなる為のキャッチパドルの開発秘話」を参照ください。
まとめ
水泳で大切なことは、身体の使い方を正しく身につけていくことです。
いきなりハイエルボーが身に付くことは難しいですが、日々練習の中で上手い泳ぎができているかを意識しながら練習をしていきましょう。
それでは、また!
ハイエルボーがやっとわかった気がします。人の動きを見ると、なぜかリカバリーの時に肘を高く上げるのがハイエルボーなのかなと思っていました。やっぱり水の中の話だったんですね。(水の上の動きをハイエルボーと教えているおばちゃんがいるんですよ。)ちなみに、水の上(リカバリー)で肘を上げるのはローリングのためでしょうか。そこも解説していただけるとうれしいです。あ!、こんなこと教えちゃったら商売になりませんか?
こちらでもコメントありがとうございます。
水の上の動きをハイエルボー・・・。確かにそれもありますね。
商売にならなくないですよ!むしろ質問ありがとうございます。
肘を上げるのは、単純に移動距離とバランスですね。
上から手のリカバリーの軌道を見たときに、肘を伸ばしたままは
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となります。
一方肘を曲げることで
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と直線にすることができます。
どっちの方が移動距離が短いかはわかりやすいですよね。
また、手が横に広がるということは、その分左右のバランスが崩れやすいということです。
と、いいましたが、正直なところストレートアームの方もいるので、肘を曲げた状態であげることが唯一の正解ではありません。
色々と試して自分にあってタイムが良い泳ぎを見つけていくのも水泳の楽しみだと思います。
ご返事ありがとうございます。フィニッシュの最後まで掻き切ろうと意識しているのですが、そうするとリカバリーから入水への移動が遅れがちだと思うようになり、最近ストレート気味を試しているところです。色々試してみます、ありがとうございました。