【水泳】ターン完全マスター!3種類の効果的練習法。

水泳のターンは競泳の成績に直接影響する重要な要素です。

ターンには、「タッチターン」「クイックターン」「バケットターン」の3種類があり、それぞれ独自の技術と効果を持ちます。

この記事では、各ターンの練習方法や実践例を紹介し、あなたの泳力向上に役立てる情報を提供します。さぁ、効率的なターン技術で競泳のパフォーマンスを向上させましょう!

水泳競技における3種類のターン

ターンの解説に入る前に、そもそも何故、ターン動作が大事なのでしょうか?もう一度考えてみましょう。

それは、ターンが上手くできると、壁を蹴った後の推進力を、浮き上がり後に、そのまま泳ぎにつなげたりと、泳ぐ時のエネルギーを節約し、泳ぎの速さを向上させることができるからです。

国際水泳連盟(FINA)によると、競技者のタイムの20%から30%はターンによって決まるとされているようです。

それぞれのターンの実用イメージは以下になります。

  1. タッチターン: 平泳ぎやバタフライでは、両手で壁に触れる必要があり、タッチターンが一般的に使用されます。
  2. クイックターン: フリースタイルや背泳ぎでは、高速でターンを行う必要があり、クイックターンが適用されます。
  3. バケットターン: 個人メドレーでは、異なる泳法間の切り替えが必要であり、バケットターンが重要となります。

次からは、3つのターンのポイントや練習方法をそれぞれ解説していきます。

タッチターン

まずはタッチターンから解説をしてきます。基本的なターンの手順をご説明した後に、ポイントについても解説していきます。

基本的な手順

タッチターンの基本的な手順をみていきましょう。タッチターンの基本的な手順は以下の通りです。

1.壁への接近
・ストロークを継続しながら壁に近づく
・最後のストロークで壁に向かって手を伸ばす

2.効果的なタッチと回転
・壁に触れた瞬間、反対側の手を引き込む
・体を回転させながら、足を壁に向ける
・反対側の手を頭の上に持ってくる
・足を壁に押し付けて、水中で脚を伸ばす

    上記のような適切な手順を身につけることで正しいタッチターン動作に近づきます!

    理想のタッチターン実現に向けたポイント

    基礎的な動きのみならず、効率的なターンを実現するためのポイントもみていきましょう!

    タッチターンで押さえたいポイントは以下の通りです。

    1.タッチのタイミング

    タッチターンでは、壁に触れるタイミングが非常に重要です。早すぎるタッチは、泳者が壁から遠く離れてしまい、反転の効率が悪くなります。

    一方、遅すぎるタッチは壁に近すぎて、タッチ後に十分な反動を得られず、身体を反転させる動きに移りづらくなります。最適なタイミングで壁にタッチすることで、スムーズなターンが可能になり、全体的な泳ぎの速さを向上させることができます。

    2.バランスの維持

    ターン動作後に身体のバランスを維持し、進行方向に対して、真っ直ぐ壁を蹴り出すことも重要です。

    ターン後の壁の蹴り出し時に身体のバランスが崩れていると、最もスピードを作れる壁蹴り出し後の初速が落ちてしまい、タイムが悪化する可能性があります。

    身体バランスを保つためには、壁を押す際に身体の軸を意識し、両脚をしっかりと使って、真っ直ぐな姿勢で壁を蹴りだすことが大切です。これによりターン後の初速をしっかりと作り出すことができます。

    タッチターンで注意すべき点を把握し、練習に取り入れることで効率的なターンが実現し、水泳のパフォーマンスが向上します。タイミングとバランスを意識し、練習を重ねることで、競技成績に大きく影響するターン部分を効果的に改善できるでしょう!

    クイックターンについて

    次にクイックターンについて解説をしてきます。

    基本的な手順

    まずは基本的な手順をみていきましょう。クイックターンの基本的な手順は以下の通りです。

    1.壁への接近
    ・ストロークを継続しながら壁に近づく
    ・壁に近づいたら、腕を引き込みながら体を回転させる

    2.効率的な足の使い方
    ・腕を引き込む際、同時に足を壁に向ける
    ・足が壁に触れたら、強く壁を蹴って水中で脚を伸ばす

    上記のような適切な手順を身につけることで正しいクイックターン動作に近づきます!

    理想のクイックターン実現に向けたポイント

    基礎的な動きのみならず、効率的なターンを実現するためのポイントもみていきましょう!

    クイックターンで押さえたいポイントは以下の通りです。

    1.上手く身体を回転させる
    ・壁に近づきターン動作に入る前もスピードを落とさずに上手く身体を回転させることが、まずは第一ステップです。回り始めるタイミングに合わせて、ドルフィンキックを打つとスピーディーに回ることができます。

    2.足が壁についたらしっかりと壁を蹴る
    ・壁を蹴る時の姿勢は、上向きでも横向きでもどちらでも大丈夫です。下を向くと回転するのに時間がかかってしまうので、上向きか横向きにしましょう。動きとしては、陸上で高くジャンプをしようとするときの動作同様にやればOKです。

    クイックターンの練習方法を適切に実施することで、ターンの速さが向上し、水泳のパフォーマンスが向上します。壁を使った練習や実際の泳ぎに取り入れることで、効果的なクイックターンを身につけ、競技成績を向上させることができます。繰り返し練習を行うことで、ターンの速さを向上させ、タイムを短縮することができるでしょう。

    バケットターン

    次にクイックターンについて解説をしてきます。

    基本的な手順

    個人メドレーで用いられるバケットターンの基本的な手順についても、みていきましょう。

    個人メドレーは、バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、クロールの4つの泳法が組み合わされた競技であり、各泳法の間で行われるターンが重要なポイントとなります。バケットターンは、特に背泳ぎから平泳ぎへの移行時に用いられる効果的なターンです。

    バケットターンの基本的な手順は以下の通りです。

    1.壁への接近 
    ・背泳ぎのストロークで壁に近づき、腕を振り上げる
    ・最後のストロークで、片手を頭の後ろに伸ばす

    2.回転を開始する
    腕を伸ばしたまま、もう片方の腕を体に沿って引く
    ・体が回転し始めるのを感じたら、両足を壁に向ける

    3.ターンを完了する
    ・腕を伸ばしたまま、足を壁に押し付ける
    ・壁を蹴り、平泳ぎのストローク姿勢で水中に入る

    個人メドレーで用いられるバケットターンの基本的な手順を習得することで、スムーズなターンを行い、レース中のタイムを短縮することができます。壁に近づく方法、回転の開始、そしてターンの完了までの手順を練習し、個人メドレーでの競技成績向上に繋げましょう!

    理想のバケットターン実現に向けたポイント

    バケットターンで押さえたいポイントは「ターン動作のスピード」です。難易度が高いターンなので、動作が遅くなりがちです。

    そうならない為にも、以下の3つのポイントを押さえられると良いです。

    • ターンの速さを向上させるために、壁に近づく最後のストロークで積極的に力を入れる
    • 壁に触れた瞬間から素早く蹴り出し、次の泳法に切り替える
    • ターン時に無駄な動作を省き、効率的な回転を心がける

    これらのポイントを練習し、実践することで、個人メドレーでの競技力を高め、優れた成績を目指しましょう。最後に、ターンの技術向上だけでなく、各泳法の基本的なストローク技術も磨くことが全体的なパフォーマンス向上に繋がりますので、バランスよく練習を進めることが大切です。

    ターンの練習方法

    ここまでは3種類のターンの基本動作やポイントを紹介してきました。

    以降からは、各ターンで理想の動きを習得するための練習方法を紹介していきます。

    タッチターンの練習方法

    タッチターンの練習方法として、タイミングを測るドリルとシミュレーションを活用することで、効果的なターン技術の習得が可能です。

    まずは以下の2つを実施しましょう。

    タイミングを測るドリル
    ・まずは陸上で壁にタッチするタイミングを掴みましょう。プールサイドで立ち、壁に向かって手を伸ばし、壁に触れるタイミングを練習します。これにより、タッチターンのタイミングを向上させることができます。
    ・その後、実際の泳法でプールを泳ぎながら、壁に近づく際のタイミングを意識し、練習します。

      正しい身体の動かし方をするためドリル
      ・水中で浮いた状態から、足を引きつけてスムーズに立ち上がる。という練習です。タッチターンの動作時に、足を身体にしっかりと引きつけられる動きを習得します。イメージはこちらの動画を10秒ほどみていただくのが分かりやすいです。

      ・この動きができるようになったら、壁がないところで水中でエアタッチターンを実施してみましょう。この状態でスムーズに足の引きつけができるようになれば、正しい身体の動かし方ができている証拠です。イメージはこちらの動画をみていただくのが分かりやすいです。

      タッチターンの練習方法として、タイミングを測るドリルやシミュレーションを活用することで、効果的にターン技術を向上させることができます。これらの練習方法を定期的に行い、適切なフィードバックを受けることで、競技力を高め、より速く泳げるようになります。

      ※動画はKAT-TV様の動画を引用にさせていただいております。

      クイックターンの練習方法

      クイックターンを効果的に練習するためには、水中で上手く動作をする練習に加えて、身体の瞬発力を鍛えるトレーニングができると良いです。

      以下の2つをまずは実施しましょう。

      1.陸上での感覚を養うトレーニング

      陸上で「でんぐり返し」を行い身体に回転動作の動きを覚えさせましょう。先程のポイントで紹介した「上手く身体を回転させる」というポイントを押さえる為に必要な練習です。いきなり水中でクイックターンの練習は難しいと思います!マットや布団などの柔らかいものを敷いて行ってみましょう。

      陸上で感覚をつかんだ後に水中で実施をしてみていただきたいのですが、それでも中々上手くいかない方は、以下の2記事を是非読んでみてください。

      【5ステップで習得!】クイックターンの練習方法とコツを動画付きで解説。
      【水泳-クイックターン】正確でカッコいいターンのポイントとは?

      2.瞬発力を鍛えるトレーニング

      ジャンプスクワットやボックスジャンプなど、筋肉の速度と力を高めるエクササイズを実施しましょう。先程のポイントで紹介した「足が壁についたらしっかりと壁を蹴る」というポイントを押さえる為に必要な練習です。壁を蹴る力は陸上で養うのが効果的です。

      クイックターンを効果的に練習するためには、柔軟性を高めるエクササイズと瞬発力を鍛えるトレーニングが重要です。これらの練習法を組み合わせることで、ターンの速さと安定性が向上し、競技でのパフォーマンスが大幅に改善されるでしょう。参考になる実例を試して、自分に合った練習法を見つけましょう。

      バケットターンの練習方法

      バケットターンを効果的に練習するには、正確な手順を繰り返し練習し、タイミングと力の使い方を習得することが重要です。

      国際水泳連盟(FINA)の競技規則では、個人メドレーにおいてバケットターンが推奨されています。これは、異なる泳法間で効率的なターンを行うためです。

      バケットターンの手順を「陸上」と「水中」で繰り返し練習することで正しい動きを身につけていきましょう。

      バケットターンの練習方法については、オリンピアンが練習方法とコツを解説しているの記事があるので、是非こちらの記事をご覧ください。

      【水泳-バケットターン】オリンピアンにコツと練習方法を聞いてみた!

      バケットターンを効果的に練習するためには、正確な手順を繰り返し練習し、タイミングと力の使い方を習得することが重要です。実例を参考に、自分に適した練習方法を見つけて、効率的なバケットターンを身につけましょう。

      まとめ

      いかがでしたでしょうか。

      水泳の競技力を向上させるためには、ターンの基本手順とそれぞれの理想ターン実現に向けたポイントを理解し、練習することが重要なことをお伝えしました。

      改めて、タッチターン、クイックターン、バケットターンの基本手順とポイントについてまとめます。

      1.タッチターンの基本手順とポイント

      • 壁に向かって手を伸ばし、触れるタイミングで足を引きつける
      • 腕を回して反対側の手を伸ばし、壁を蹴って反転
      • 力の使い方やタイミングを意識し、滑らかなターンを目指す

      2.クイックターンの基本手順とポイント

        • 泳ぎながら身体をひねり、片手で壁に触れる
        • すばやくもう片方の手を伸ばし、足が壁についたらしっかりと蹴る
        • 身体の回転と瞬発力を活用し、効率的なターンを行う

        3.バケットターンの基本手順とポイント

          • 泳ぎながら両手を壁に触れるように伸ばす
          • 腰を回転させて足を壁に向け、壁を蹴って反転
          • タイミングと力の使い方を習得し、スムーズなターンを実現する

          これらの基本手順とポイントを理解し、練習することで、各ターンの技術を向上させることができます。理想的なターンを実現するためには、定期的に練習を行い、フィードバックを受けて改善していくことが重要です。効果的な練習法を取り入れながら、自分に合った方法を見つけてください。

          本記事でご紹介した練習方法のまとめも、改めて記載させていただきます。

          1.タッチターンの練習方法

          • タイミングを測るドリル
            • 陸上で壁にタッチするタイミングを練習
            • 泳ぎながら壁に近づく際のタイミングを意識
          • 正しい身体の動かし方をするためドリル
            • 水中で浮いた状態から足を引きつけて立ち上がる動作を練習
            • 壁がないところでエアタッチターンを実施

          2. クイックターンの練習方法

            • 陸上での感覚を養うトレーニング
              • でんぐり返しを行い身体に回転動作の動きを覚えさせる
            • 瞬発力を鍛えるトレーニング
              • ジャンプスクワットやボックスジャンプなどのエクササイズを実施
              • 足の力と速度を向上させる

            3. バケットターンの練習方法

            • 正確な手順を繰り返し練習
              • タイミングと力の使い方を習得する
            • 陸上と水中でバケットターンの手順を練習
              • オリンピアンが練習方法とコツを解説する記事を参考にする

            これらの練習方法を実践し、ターン技術を向上させましょう。効果的なターン練習で競技力を高め、水泳の成績を向上させることができます。各ターンの練習方法を試し、自分に合った方法を見つけてください。

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            最後までお読みいただき、ありがとうございました。