多くが健康を目的に泳いでいるようですが、中には記録や順位を目標に水泳をしている人もいます。ただ、目標や目的を気にするあまり、練習(トレーニング)にも熱が入りすぎて、腰や肘などを傷めたりする人も見受けられます。
ここで気をつけなければいけないのが、その練習への取り組み方です。どんなスポーツでも、「練習はうそをつかない」と言われるように、ある程度の練習量は必要です。しかし、頑張りすぎると、身体がついていけなくなっていき、納得のいく練習もできず、結果が悪いと「練習量が足らない」とさらに長い距離を泳いだり、過度なスピード練習をする人も少なくないようです。そして、膝や腰の調子が悪くなるという悪循環におちいります。
今回はオーバートレーニングの意味合いを理解していただいて、今の自分を見つめ直していただければと思います。
「トレーニングはするが、回復ができない状態」
本来は、1回のトレーニングで筋肉が壊れ、休養・栄養をとることによって、修復し強
くなることを繰り返す。これが正常にできなくなってくる。
これをオーバートレーニング(症候群)といいます。
過剰なトレーニング実施により生じた疲労が不十分な休息のために回復せず、
疲労が慢性的に蓄積された状態にいるのにも関わらず、自分自身は「ちょっとした疲労感が残っているだけだ」とか、「この疲労感は練習量が足らないからだ」、という勘違いをしてしまうことがあります。
兆候:競技成績の低下(原因不明) 全身倦怠感、 頭痛、 睡眠障害、 食欲不振、
体重減少、 集中力の欠如、ひどい場合はうつ状態になります。
メカニズム
①トレーニングによる筋損傷
②修復のために炎症する
③損傷部分のむくみ(周辺の関係のないところまで影響をうける)
④24~48時間でグリコーゲンは補充されるが、筋繊維は修復されていない
※回復をまたずに繰り返すことによって、さらにひどくなる。
原因
自律神経のバランスが崩れること。初期症状には、疲れているのに眠れない、消化が進まない、脈がいつもより高い。本来、副交感神経が働いている(リラックス状態にある)ときに、交感神経が優位に働いてしまう(活動状態にある)ため。
初期症状と対策
症状
・脈が高い ・疲れているのに寝つきが悪い ・疲労(感)が抜けきらない
・運動の強度が上げられない ・練習してもレベルアップしない
・抑うつ症状(交感神経が活発的に働いているため、前向きになれない、自信が持てない、悲観的になる)
対策
・トレーニングを中止する(休養) ・バランスよく食べる ・指導者による見極めと練習内容のコントロール
オーバートレーニングはどのスポーツでもおこりうることです。努力することはいいことですが、自分のカラダと向き合って、楽しくスポーツを継続できるように、練習内容を記録するだけでなく、現状を再確認して、必要であれば課題を抽出し、運動強度や時間を調整してみましょう。