レース前やメイン練習前のウォーミングアップ。
「水中で行う内容はわかるけど、陸で行うべき内容がよくわからない」
「レースやメイン練習で身体が動くようにするためのウォーミングアップを知りたい」という方はいらっしゃいませんか?
今回はそんな方向けに「水泳のウォーミングアップで押さえておきたい4つのポイント」をまとめました。具体的なウォーミングアップメニュー例まで紹介しています。
レースやメイン練習でのパフォーマンスを今よりももっと高めたい方は是非、ご覧ください。
ウォーミングアップの目的
まずはじめに、ウォーミングアップの目的を整理していきましょう。4つのポイントを押さえておけばOKです!
①:体温・筋温を上昇させ筋肉が力を発揮しやすい状態を作る。
②:関節可動域を広くして、怪我予防の効果を高める。
③:神経の伝達を促進し、身体を動かしやすくする。
④:心肺機能を適応させ、運動中の酸素循環効率を高める。
以上4つの目的を満たし、レースやメインメニューの前にベストコンディションの身体を作ることが、ウォーミングアップを行う意味になります。
ウォーミングアップで行うこと
それでは、ウォーミングアップで具体的に行うべきことを見ていきましょう。行うことはストレッチ・陸トレ・スイムの3つです。それぞれでどの目的を満たすために、何をすればよいのか?を紹介していきます。
ストレッチ
ウォーミングアップに「筋肉を伸ばす柔軟」や「関節周りを動かす肩回し」のようなストレッチを取り入れている方は多いのではないでしょうか?
改めてではありますが、ウォーミングアップで行うストレッチの目的を整理していきましょう。先述の4つのポイントのうち、次の2つを満たすために実施します。
①:体温・筋温を上昇させ筋肉が力を発揮しやすい状態を作る。
②:関節可動域を広くして、怪我予防の効果を高める。
前提の共有になりますが、ストレッチでは静的ストレッチと動的ストレッチの2種類があります。2の「関節可動域を広くする」ためには、動的ストレッチがとても有効なので、必ず取り入れるようにしましょう
▼ストレッチの種類
もちろん静的ストレッチも2つのポイント(1.体温・筋温上昇と2.可動域拡大)をクリアするために有効です。
なのでストレッチを行う流れとしては、「指定部位の静的ストレッチを行い柔軟性を出した後に、動的ストレッチを行いさらに可動域を出す」という流れが良いかと思います。
具体的にどこの部位をストレッチした方がよいのか?という点は、以下の記事で詳細に説明をしています。是非、確認してみてください。
関連記事:動画で分かる。水泳の練習前後に必ず行いたい7箇所のストレッチ。
陸トレ
入水前に、腹筋・背筋などの軽い陸トレを行うことも効果的です。この章では「入水前の陸トレがなぜ効果的なのか?」や「最低限どんな陸トレをしておけば良いのか?」を見ていきましょう。
改めて目的の整理ですが、陸トレでは、4つのポイントのうち次の2つを満たすため筋肉へ刺激を入れます。
①:体温・筋温を上昇させ筋肉が力を発揮しやすい状態を作る。
③:神経の伝達を促進し、身体を動かしやすくする。
まず前提の共有ですが、筋肉にはアウターマッスルとインナーマッスルがあります。
▼ 引用元
ふじさわ整体院様 公式HP
アウターマッスルとインナーマッスルの違い 整体師がオススメする理想のトレーニング法
刺激を入れたい筋肉について、1.の「体温・筋温を上昇させる」という点では、アウター・インナーどちらの筋肉でも構わないです。
ただ、3.の「神経の伝達を促進する」という点では、インナーマッスルに刺激を入れることが大切です。なぜなら、インナーマッスルには神経に近い筋肉が含まれており、この神経に近い筋肉に筋肉に刺激を入れることで神経伝達が促進されるからです。結果、身体が動きやすくなります。
▼関連書籍
以上のことから陸トレの流れは、神経の伝達を促進するためにインナーマッスル中心に刺激を入れながら、身体を温めていくのが効率的かと思います。
最後に「これだけは押さえておきたい!」という陸トレメニューを紹介します。「腹横筋」と「多裂筋」という2種類のインナーマッスルへ刺激を入れるメニューです。
腹横筋に刺激が入るメニュー
※少し長いですが再生後3分くらいで3種類のメニューのイメージがつかめます。
多裂筋に刺激が入るメニュー
※再生後1分くらいでイメージがつかめます。
これらのメニューに加えて、腹筋・背筋などのアウターマッスルも含めた体幹周りの筋トレを適量行いましょう。
スイム
最後にスイムです。皆さんウォーミングアップ時のスイムでは、どのようなメニューを取り入れていますか?この章では、ウォーミングアップ時に「最低限取り入れておきたいメニュー」と「その理由」を説明していきます。
改めて目的の整理ですが、ウォーミングアップを目的としたスイムでは、4つポイントのうち次の2つを満たすことが大切です。
③:神経の伝達を促進し、身体を動かしやすくする。
④:心肺機能を適応させ、運動中の酸素循環効率を高める。
3の「神経の伝達を促進する」という点では、スプリントメニューを数本行い神経系に刺激を入れるようにしましょう。
スプリントのサンプルメニューは以下のイメージです。短い距離で高出力を出して刺激を入れましょう。
▼サンプルメニュー
4の「心肺機能の適応」という点では、ディセンディングのメニューで徐々にスピードを出し、心拍数をHR175〜180(10秒間の心拍数29〜30回)あたりまで上げておきましょう。そうすることで心肺機能に刺激が入り、酸素の循環効率が高まります
※ディセンディング=1本目〜ラストの本数まで徐々に泳速を上げていくこと
脈上げ時のサンプルメニューは以下のイメージです。1本目から4本目までスピードを上げていき、残り2本はスピードを上げたところで維持し心拍数を上げます。
▼サンプルメニュー
ここまで実施すれば、身体の仕上がりはバッチリです。クールダウンをして、レースやメイン練習に備えましょう!
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は「水泳のウォーミングアップで押さえるべきポイント」をご紹介しました。ウォーミングアップを効果的に行い、レースやメイン練習で最高のパフォーマンスを出せるようにしましょう。
レースに向けては、当日のウォーミングアップのみならず前日の過ごしからも大切です。レース前日の注意点をまとめている記事もあります。気になる方は、是非こちらの記事もご覧ください。
関連記事①:試合でベストを出すために前日やるべきこと。
関連記事②:【元日本代表が実践】水泳の大会前日のメニューサンプルを公開。
最後までお読みくださりありがとうございました。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回はウォーミングアップを実施する際のポイント紹介させていただきました。狙った試合でベストタイムを更新するための参考になりましたら、幸いです。
また試合でベストタイムを出すためには、日々の練習もとても大切です。一方で、効果を生むための練習メニュー設計は、とても難しく悩まれることも多いと思います。
そんな方向けに日本代表選手を輩出しているコーチ陣が、メニュー設計のポイントを紹介しているトレシェアというサービスもあるので、気になる方は是非みてみてください。
関連記事:日本代表選手のメニューが見られる!?新サービス『トレシェア』とは?
また、コーチの方でより効果的な練習メニューを考えたいという方向けにも記事がありますので、是非ご覧ください。
参考記事:【コーチ向け】選手を成長させるために効率的に学び続けよう!
最後までお読みいただきありがとうございました。